選曲…特にコンクールに向けての自由曲の選曲は、多角的に考えて、少し時間をかけて決めています。2、3曲を私が選んで、その中から最終的には生徒さんご本人に決めてもらっています。
コンクールや、大事なステージで演奏をする曲は、3ヶ月以上弾き続けることも多いので、自分で選んだ、一番好きな曲でないと、肝心の本番のステージで最高の演奏ができません。
また、課題曲がある場合、その曲のテンポ感や調性や曲想、作られた時代など、課題曲と自由曲との相性も考えるポイントにしています。
あまりにも似通った2曲にならないように、あまりにも相入れない2曲にならないように、また、どちらかの曲が霞んで聴こえないように。
問題は、分数制限内に収められるかどうか…Allegro、tarantella、Prestoなどの曲ならば曲の長さも短い曲が多いですが、ゆったりとした曲や、大曲だとどうしても分数オーバーしてしまいがち。悩ましいです。
でも一番大切にしていることは、その曲を弾いている生徒さんの姿を想像することですね。
あの子が、この曲を弾いたなら、どんな風に弾くのかな?
きっと、とても軽やかに弾いてくれるかな?とか、すごく悲しく弾いてくれるかな?とか、とてもドラマチックに弾いてくれるかな?…そんなことを考えながら曲を選ぶのは、実はとても楽しい事なのです。
それぞれの生徒さんの持っている個性を最大に引き出してくれる曲を探すのも、センセイの大事な仕事だと思って、丁寧に行っています。